コード進行のパターン表一覧|基礎から学ぶ王道だけどおしゃれな和音

コード進行

今では、インターネットで曲名にコード進行と検索すればどんな曲のコード進行も簡単に調べることができます。

曲作りや楽器演奏をするさいには必要不可欠なコード進行。

では、コード進行とはどのようなものでどのように作られているのでしょうか。

今回の記事ではコード進行についてご紹介いたします。

目次

コード進行とはなにか?

音楽とは何からできているのかご存じでしょうか?

音楽は、メロディーとリズムとハーモニーの3つで構成されています。

そして、コード進行とはハーモニーのことを指します。コード進行はどのようにコードを進めていくのかということを表した言葉になります。

どのコードが何拍続いて、次はどんなコードにつながるのかといった具合になります。

  • コード進行はどのように作られているのか

コード進行は基本に沿って作る人も居れば感覚で作る人もいます。そして、人が聞いているときに違和感を感じないコード進行を作るには調整というものを意識する必要があります。

そして、コードの役割や特徴を理解したうえでコードを作ることで、より思い通りに近いコード進行を作ることができます。

しかし、コード進行とは1から作るというよりは、定番のコード進行があったりするため、曲の雰囲気やリズムに合わせたコード進行を組み合わせたりして曲を作ります。

  • コード進行はルールに沿って組み立てられる

コード進行はこの世に数え切れないほど多く存在していて、基本的なものからオリジナルのものまでさまざまです。

そして、コード進行を組み合わせて1つの音楽として構成していく時に、やみくもにコードが選ばれるということはほとんど無く、基本的にはある程度決まったルールに則って構成されることが多いです。

そのルールをある程度参考にして一貫性を保ちながらコードを選択していくことで、作った音楽から心地良さや一貫性が感じられるようになります。

そのためには、次の項目にもあるコード進行の構成ルールやコード進行の種類についてのある程度の知識が必要になります。

コード進行を構成する際に重要となることとは、

・キー(調)

・コードが持つ機能と基本的なコード進行

の2つになります。

  • キー(調性)

コード進行について知るためにはキー(調性)について知ることが必要になります。

キーとは「主役となるコードや音、スケール」といったものを表していて、よく使われて有名なメジャーキーとどちらかというとあまり使われないマイナーキーの2種類があります。

楽譜では「KEY=C・KEY=Amなどとあらわされることが多く、五線紙では音部記号の右隣に「#・♭(調号)を使って表記されます。

キーの種類はメジャーキー12個、マイナーキー12個の計24個になります。

単純にコード進行を作るだけならコードとスケールを意味するキーだけを覚えれば不自由はありません。

  • ダイアトニックコード
メジャーキーⅠmaj7Ⅱm7
Ⅲm7Ⅳmaj7Ⅴ7Ⅵm7Ⅶm7(♭5)
KEY=Cの場合
(調号に#や♭無し)
Cmaj7Dm7Em7Fmaj7G7Am7Bm7(♭5)
マイナーキーⅠm7Ⅱm7(♭5)♭Ⅲmaj7Ⅳm7Ⅴm7♭Ⅵmaj7♭Ⅶ7
KEY=Cmの場合
(調号に♭が3つ)
Cm7Dm7(♭5)E♭maj7Fm7Gm7A♭maj7B♭7

ダイアトニックコードとは、キーのメインになるスケールを使ったコードのことを言います。

キーと対する響きを持っているので、並べ方を考えて工夫するだけでコード進行が簡単につくれます。

上の表のように、各キーには7個のダイアトニックコードあって、メジャーキーとマイナーキーの2つでは少しだけ構造が違っています。

覚えておくだけで曲作りがスムーズに行えたり楽器演奏に活かせたりと、楽曲の分析や応用理論にまで使える便利な知識です。

  • コードファンクション
メジャーキーⅠmaj7Ⅱm7Ⅲm7Ⅳmaj7Ⅴ7Ⅵm7Ⅶm7(♭5)
ファンクションTSDT(D)SDDTD
マイナーキーⅠm7Ⅱm7(♭5)♭Ⅲmaj7Ⅳm7Ⅴm7♭Ⅵmaj7♭Ⅶ7
ファンクションTSDTSDDSDorTSDorD

ダイアトニックコードの機能や響きを表したのが、コードファンクションと言います。

コードファンクションについての知識があることで、コード進行を簡単に、安定したクオリティーで作ることが可能になります。

安定感のある響きの「トニック(T)」不安定な響きの「サブドミナント(SD)」不安定でトニックに行きたがる響きの「ドミナント(D)」の3つに分けられるのが特徴です。

ダイアトニックコードとコードファンクションを合わせて覚えるのはとても大変ですが、一度覚えてしまえば曲作り以外にも幅広く活かせる知識になります。

  • コード進行の組み立て方

コード進行の大きな流れはキーの確定から始まります。

それによって使えるコードが決まって、それによってそれらを活用した基本的なコード進行を決めることができます。

実際の曲作りでは基本的なコード進行をもとに、さまざまなコード進行を組み合わせて曲作成をします。

  • ダイアトニックコードを中心に組み立てる

コード進行の作り方の基本は、ダイアトニックコードを中心に組み立てることになります。

ダイアトニックコードを中心にしてコード進行作成を行うと、狙っていない転調や外れて聴こえる和音、メロディとコードトーンの衝突を避けることが簡単にできます。

また、キーを明確にできるので、作成と演奏を繰り返せばキーと各コードの関係を頭や耳で覚えられるのもポイントです。

感覚や雰囲気で進行が作れる天才肌の人、作曲をある程度行っている上級者は自由に組み立てをしますが、不慣れな人や初心者はダイアトニックコードを使ってコツを掴んでいきましょう。

  • ファンクションの違うコードを交互に組み合わせる

ファンクションの違うコードを交互を並べるように組み合わせるのも、コード進行作りの1つです。

トニックだけを何個も並べてしまうとメリハリが無く、サブドミナントやドミナントだけを使うと転調した雰囲気になり、音楽的な仕上がりになりません。

1つのコードを何小節も鳴らすといったテクニックなどもありますが、基本的にファンクションを交互に鳴らしたほうが音楽として心地良く聴こえるのでおすすめです。

コード進行パターン一覧表

ここからはよく使われるコード進行を紹介していきます。

これから紹介するコード進行を覚えることができれば曲作りで不自由することはなくなると思います。

基礎となるコード進行

まずは、1番重要な基本のコード進行からです。基本のコード進行だけで曲を作ることもできるくらい重要な部分になります。

度数:ⅣーⅤーⅢmーⅥm

Key=C:FーGーEmーAm

こちらが日本で最も一般的と言われるコード進行です。ある時では、このコード進行が人気で受けが良いため音楽業界がこのコード進行で溢れかえっていたくらいです。特にJ-POPではいまだに多く使われています。

雰囲気としては、軽く爽やかですが、どこか少し切なさや悲しさを感じるようなイメージです。

洋楽では、80年代後半に流行したジャンル「ユーロビート」で、このコード進行がよく使われました。

  • (F-G-Em-Am)王道進行の使用曲

平井堅 「瞳を閉じて」

この曲はサビの部分でFーGーEmーAmのコード進行が使われています。

ONE OK ROCK 「完全感覚Dreamer」

この曲もサビにFーGーEmーAmのコード進行が使われています。

ギター初心者のおすすめのコード進行

ギターを始めた時に一番最初に取り組むのがコード弾きです。

コードというのは1つ1つの弦を鳴らすのでなく、複数の弦を同時に鳴らして和音を奏でることを言います。

弦を抑える手や引く法の手の動かし方も単音を噛んでる時とは異なります。

この弾き方を覚えることで、曲を弾いていけるようになるため曲を弾くためのスタート地点とも言えます。

  • ギター初心者向け 簡単な練習曲

スピッツと言ったらこの曲。人気曲の「チェリー」です。

CコードからGコードといった、指の形をあまり変えることなく移行できるコードが多いことが特徴です。

ですが、多くの初心者がまず最初にぶつかる、1本の指で同フレットの弦を複数押さえるバレーコード、FやB♭が使われています。

なので、最初はゆっくりと音を聞きながら練習をすると良いと思います。

レミオロメンの人気曲の一つである「3月9日」

卒業式で歌われることも多く、合唱や演奏で使われることも多々あります。

カポを使用して弾くとより簡単に引くことができますが、カポなしでも比較的弾きやすい部類であるといえるでしょう。

曲のテンポはゆったりとしていますが、細かいコードチェンジが所々に存在するところがポイントです。

コード進行をしっかり確認しながら練習しましょう。

こちらは、特にエレキギターの練習のおすすめなのがASIAN KUNG-FU GENERATIONの「ソラニン」です。

比較的抑えやすく簡単なコードが多く、コードチェンジも細かくあるわけではないため、エレキギターを初めて触るような人も練習しやすい曲です。

余計な弦を押してしまい雑音にならないように1つ1つ確認しながら練習しましょう。

シンガーソングライターの斉藤和義さんのヒット曲「歌うたいのバラッド」

数多くのアーティストにカバーされている名曲です。

メジャーコードやマイナーコード、バレーコードをまんべんなく使用しているだけではなく、中にはG♯m7‐5やD♯dimといった見慣れないコードもなかにはあります。

しかし、難易度が特別高いというわけではなく、曲のテンポもゆったりとしているため初心者でも十分チャレンジできる楽曲です。

  • 初心者でも練習しやすいバンド曲

時代がいくら流れても大人気のバンドビートルズ。そして、ビートルズの代表曲の1つでもある「Let It Be」

メジャーコードが主体として使われており、規則的な展開とコード進行なのでギター初心者やあまりうまく弾けない人の練習曲にも適しています。

老若男女問わず有名な曲なので、レパートリーに加えておいて損はない楽曲です。

グラミー賞の常連で、世界の歌姫といっても過言ではないテイラースウィフト。

日本ではテラスハウスのテーマ曲として有名な「We Are Never Ever Getting Together」

使用しているコードが4つで、初心者の鬼門となるバレーコードも少ないのが特徴です。

コード弾きとアルペジオを組み合わせて使うと、かなりうまく弾けている雰囲気も出ます。

  • ギター初心者が弾きやすいボカロ曲

人気のボカロプロデューサーのDECO*27(デコ・ニーナ)さんの楽曲「ゴーストルール」

軽快で疾走感のあるバンドサウンドなので、エレキギターで弾きこなすことができたらかっこいいです。

スリーコードを多用しつつも、途中、単音弾きがある点にも注目です。

もたつくことなく弾くことができればとってもかっこいい楽曲です。

おしゃれなコード進行

そもそもコード進行にあしゃれさはあるのかと疑問に思う方もいるかもしれません。

ですが、コード進行を意外なほど、おしゃれにする方法はさまざまあります。

  • 構成を工夫する

使用する音階やコード進行の構成を考えて工夫することでも、コード進行をよりカッコよくすることが可能です。

  •  テンションノートを組み合わせる

コードに含まれないテンションノートを使ったりすることが挙げられます。テンションノートを取り入れることによって、実は聞き手に緊張感をあたえることが可能になります。

そしてまた、和声的な音階を使ったり、半音階を使ったりすることでも、より洗練されたコード進行にすることができます。

  • 変化理論を用いる

変化理論とは、音楽の基本的な構成要素である和音を組み合わせることで、より洗練された方法論のことです。

変化理論をうまく使うことで単純なコード進行に彩を加えることができます。

  • おしゃれに聞こえるコード進行

「おしゃれ」と感じるコード進行には、一般的にトライアドと呼ばれる三和音を基本に、そこに7thを加えたり、さらにテンションを加えて四和音の形で使用することが多いです。

  • FM7→E7/G#→Am7→Gm7→C7

ポップスはもちろんのこと、スムーズジャズやR&Bのようなジャンル洗練された音楽と相性が良い進行で、大人感が漂うようなコードです。

  • DM7→C#m7→F#m7→A7sus

80年代のクラシックな雰囲気があるコード進行で、いわゆるシティポップ系でよく使われるコード進行になります。

  • AM7→Dm7→G7sus→CM7→FM7→Bm7→D/E→A→Dm

少しポップだけどスローな感じもあり、バラードな感じがする曲、クラシックな大人な雰囲気を感じさせる独特なコード進行です。

  • A→D#7♭5→DM7→C#7#5→F#m9→B13#11→E7sus→E7sus

少し寂しさを感じさせるコード進行で、ジャズやR&Bで使われる、おしゃれな進行です。

  • AM7→Em6/G→F#7sus→F#7→Bm7→Dm6/F→E7sus→E7

ベースラインの下降する動きがおしゃれで、クールなコード進行です。

王道のコード進行の種類

王道なコード進行とは、4コードで構成された簡単なコードで、3つめのⅢmに最もアクセントが置かれるものになります。

これは「4536進行」と呼ばれたりもします。

これを知っておけば色々な楽曲を弾けるようになると言われていて、かなり浸透しているコードになります。

コードブルーの主題歌にもなったMr.Childrenの「HANABI」

「決して捕まえることのできない 花火のような光だとしたって」の部分が、Ⅳ→Ⅴ→Ⅲm→Ⅵmとなっており、王道進行です。

基本形からツーファイブワンになるのかと思ったら、逆に王道進行へいくみたいな感じで、複雑で味のある進行になっています。

ミスチルの曲では、Replay、youthful days、Any、HEROなどにも王道進行の定番のコードが用いられています。

スピッツの「ロビンソン」では、イントロで王道進行が組み込まれています。

1小節目から4小節目までのコード進行は、王道進行をアレンジさせたコード進行になります。

イントロでは、この4小節を4回繰り返します。王道進行のリフレインが感動的でありながらもどこかもすこし寂しさを表現することができています。

まとめ

今回はコード進行についての記事を紹介いたしました。

音楽作成や楽器演奏をする際に欠かせないコード進行ですが、基本的なものから派生したものなど多くの種類があります。

すべて覚えるのは大変ですが、自分のものにしてしまえば確実に楽曲つくりや楽器演奏に活かせるはずです。

まずは、基本の練習から初めて少しずつオリジナリティーを出していくと楽しいかもしれません。

また、どのようなコード進行を使っていいのかわからないような人はぜひ今回の記事を参考にしてみてください。

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