AIを使った小説ジェネレーターとは?
最近、人工知能……つまりAIを使って行う、芸術活動が話題ですね。
有名なのは絵を描いてくれるAIですが、実は小説を書いてくれるAIもあるんです!
「AIを使った小説ジェネレーター」とは、
AI=人間からもらった情報や、ネットから自分で集めた情報を分析し、言葉と言葉の繋がりや関係性を自分なりに学習するようプログラムされた人工知能に、
小説ジェネレーター=使う人が出したお題に沿った文章……この場合は小説を書いてもらうツールです。
要は、「AIが今持っている知識や言葉を総動員して、決められたお題で小説を書いてくれるツール」です。
ひとくちに「小説を書くAI」と言っても、それぞれ個性があります。
AIによって、学習している内容や蓄えている知識が少しずつ違うためです。
知っている言葉の数、蓄えている知識の種類や量も様々で、人間風に言うと「得意、不得意」があるんです。
この記事では、そんな個性的なAI小説ジェネレーターの中から、代表的なものをご紹介していきます。
AIのべりすと
まずは「AIのべりすと」について。
知っている言葉の数と、小説を書くために必要な知識量、どちらも日本最大級のAI小説ジェネレーターです。
何かのきっかけで異世界に転生した主人公が、その世界で大活躍する……いわゆる「なろう系」の小説が得意なようですね。
個人の方が全て一からシステムを作り上げ、運用されていたツールです。
現在は株式会社が運用している形になっているようですね。
小説以外に、AIとチャットができる機能やお絵描き機能などもあり、たくさんの人に利用されているツールのようです。
「AIのべりすと」は無料
「AIのべりすと」は、アカウント登録し、利用するだけならば無料です。
ですが、無料会員は使い方に制限があったり、共用サーバーなので混雑してしまったり、広告が出てきたり……というデメリットがあるようです。
快適にどんどん使いたい方のために、これらのデメリットを解決した有料プランもあるようですね。
「AIのべりすと」の使い方
アカウントを作らなくても、用意された書き出しからほんの少しだけ、お試しで小説を書いてもらうことができます。
さらに続きを書いてほしい場合は、アカウントを作ってログイン。
ログインすると、続きを書いてもらったり、不自然な文章の書き直しをしてもらえたり……
できることの幅が一気に広がります!
さらにたくさんの機能を使い放題にしてもらいたい場合は、ひとつ前の項目で言及した「有料プラン」に加入することもできますよ。
「AIのべりすと」は使えない?
さて、ここまで「AIのべりすと」の使い方をご説明してきましたが、利用者の方々はどう感じているんでしょう。
実際に使ってみた方々の声をご紹介します!
「AIのべりすと」のいい評判・口コミ
なんだろ、補助程度って言うか最低限ぐらいの使用頻度でAIのべりすと触ってここ数日感文字書いてたんだけどなんか前より文字書くのがそこまで苦じゃない気がする
— つばめ@関東上陸中 (@iMnrC4oJrbbSqdi) May 3, 2023
Twitterでよく見られたのが、自分で小説を書いている方々の
・限られたシチュエーションでは有能
・キーワードを伝えて書いてもらった小説を、自分で小説を書く時の参考にしている
・小説を書くのに行き詰まったときに使うと、壁を破るためのきっかけになる
といった声です。
どちらかというと、小説を書いてもらうツールというより、自分が小説を書くときのお助けツールとして使っているというツイートが多かったように思えます。
「AIのべりすと」の悪い評判・口コミ
AIのべりすと、上手く使えばもっと洗練されるのかもしれないけど実際自分の好みの創作にはならない
— かしわ (@kashiwa_omochi6) May 2, 2023
Twitterでよく見られたのが、
・日本語の使い方や話の展開の仕方が不自然
・自分の書いてほしい内容とは微妙にずれる
といった声です。
「AIのべりすと」に限った話ではありませんが、AIは人ではありません。
小説家の方に小説を書いてもらう場合は、「この表現は絶対に入れてください」「これでいいですか?」「もっとこんな感じに」とお互いに内容をすり合わせていくことができます。
ですが、AIはそうはいきません。
してほしいことや書いてほしい内容がある場合は、人間がAIに合わせ、入力する情報を調整し、誘導してあげなければならないのです。
ChatGPT
ChatGPTは、最近話題のAIの一つですね。
人間が質問した内容に対し、インターネット上の情報をもとに答えてくれることで有名なAIツールです。
非常に的確で正確な答えを返すこともあれば、的外れでちょっと面白い答えを返してくることもあります。
ChatGPTの日本語公式サイトでは、「数学を解く」「言語を翻訳」「履歴書を書く」など、ChatGPTを使ってできることをいくつか紹介しています。
実は、その中のひとつである「テキストを生成する」機能をAI小説ジェネレーターとして使い、小説を書いてもらうことができるんです。
「ChatGPT」は無料
ChatGPTは、アカウント登録などをしなくても無料で使うことができます。
公式サイトにはっきりと書いてありますし、サイト内のチャットで質問しても同じ答えが返ってくるので、ご安心ください!
登録しないと使えないコンテンツもあるようですが、こちらも無料のようです。
「ChatGPT」の使い方
基本的には「質問をして、答えを待つ」といったシンプルなものです。
公式サイトには、質問をする上での前提条件などを説明するなど、もう少し詳しい使い方が書いてあります。
「ChatGPT」は使えない?
使えないわけではないですが、小説を書いてもらうためのお願いの仕方に、少しコツが必要なようです。
実際に使ってみた体験談では、単に「こんな小説を書いて」とお願いしただけだと、小説を書いてくれるのではなく、その小説を書くために必要な前提条件や、展開の案などを示してくれたようです。
会話しながらうまく誘導すると、冒頭のストーリーやその続き、小説に出てくる登場人物の紹介もしてくれるようですね。
小説を書くことに特化したツールではないので、こちらの「小説を書いてほしい」という希望をしっかり伝え、書き始めてもらうまでに何回かやり取りをしなければならないようです。
「ChatGPT」のいい評判・口コミ
軽い気持ちでchat gptに小説書かせたら冒頭からもうおもろいwwwwwwwwwwwww
— む (@ariwaragorilla) May 4, 2023
Twitterで見られたのが、
・内容は小説としてもしっかりしていて、設定も面白いと思えるものが多い
・小説というよりあらすじのような内容になることもあり、自分で小説を書く時の参考になる
といった声です。
いい評判・いい内容のツイートが多く、中にはChatGPTに書いてもらった電子書籍を出版した、というツイートも!
展開の不自然さなどを批判するようなツイートがあまりなく、かなり完成度の高い小説を書いてくれるようですね。
小説を書いている方の中には、自分の小説をChatGPTに示して分析してもらい、アドバイスをもらっている方もいるようです。
「ChatGPT」の悪い評判・口コミ
chat GPTで普通に小説書けるようになったから、自分で書く際はAIっぽくならならいために、意図的に文脈をおかしなくては、という変な問題が発生してきた。綺麗な文脈で通したい自分もいるけど、これはAIでも書けるだろうなと思うと、奇を衒った展開を想像してしまう。物語に正解はないからこそ難しい。
— アメミヤユウ/体験作家 (@amemi_c5) April 13, 2023
Twitterでは、あまり悪い評判や口コミは見られませんでした。
ですが、少し考えさせられたのがこちらのツイート。
ChatGPTである程度自然な設定・展開の小説を書けてしまうからこそ、人間が書くときにはAIっぽくならないよう、わざと文脈をおかしくしないといけない。
AIが書いたと思われないよう、AIでも書けないような奇抜な小説を書かなければならない……と思ってしまう人もいるようですね。
これも、一種の「人がAIに合わせなければならない」状況なのでしょうか。
AI BunCho
AI BunChoは、小説の題名やあらすじの提案をしてくれたり、小説の本文を作ってくれたりするAI小説ジェネレーターです。
日本語の文法や言葉の知識を学習させた、小説に特化したAI。
AI BunChoの機能を使って、これまでに作られた小説は300万弱だそうです!
すごい数ですね……
「AI BunCho」は無料
AI BunChoは、アカウント登録し、利用するだけならば無料です。
ですが、無料会員は使い方に制限があったり、広告が出てきたり……というデメリットがあるようです。
これらのデメリットを解決し、使える機能もさらに増やした有料プランもあるようですね。
AI BunChoの公式サイトには、システムの維持・管理にかなりのお金がかかるため、できれば有料プランを利用いただきたい旨のお願いが掲載されています。
「AI BunCho」の使い方
AI BunChoには小説を書くのに役立つ様々な機能がありますが、そのなかでも「タイトル」「プロット」機能の使い方をご紹介します。
この2つの使い方はほぼ一緒で、小説のジャンルやキーワードを入力すると、それに沿ったタイトルやあらすじを提案してくれます。
「小説の内容は大体決まってるのに、いい感じの題名が思いつかない……」
「キーワードは決まってるけど、なんとなくの流れが決まらないから本文に取りかかれない……」
自分で小説を書いていてる方は、こんなお悩みが出てきてしまうことも多いはず。
そんな方にとって、とても助かる機能ですね。
もちろん、小説の本文そのものを書いてくれる機能もありますよ!
「AI BunCho」は使えない?
小説に特化したAIなので、使えないわけではなさそう。
ですが、苦手な分野はあるようです。
「AI BunCho」のいい評判・口コミ
AIぶんちょースッゲーーーー!!!!!!あらすじとかキーワードとか書いて任せただけなんけど 予想よりすごいが出てきてビビってしまった pic.twitter.com/DPsvsBdGZp
— ぴむ (@Samoyed_kg) January 4, 2023
Twitterで見られたのが、前の項目でご紹介した、小説のタイトルやあらすじを作ってもらう機能についてのツイート。
もちろん本文を書いてもらったというツイートもあり、その小説の展開や考え方を、自分で書いている小説に使ったというツイートも見られます。
自分で小説を書いている方が、想像を膨らませたり、自分が苦手なことを手助けしてもらうために使っているツイートが多かったように思えます。
「AIのべりすと」やChatGPTに比べると、そもそも話題にしているツイートが少なく、かつ正式名称ではなく「ぶんちょう」などの名前で呼んでいるツイートもあって、情報が集めづらい印象でした。
「AI BunCho」の悪い評判・口コミ
AIに小説を書いてもらってて思ったのは、地理を含む構成は難しいかもしれないって事。
— ぴーじま (@PzimaVR) February 1, 2022
江戸と京の違いは理解できたから違和感に気づいたけど、ベネチアとローマや揚子江と黄河みたいなこと書かれたら正しいかわからん。#AI小説 #AIbuncho pic.twitter.com/nMgmvaPc05
Twitterで見られたのが、「地理を含んだ表現は苦手なのかも……?」という意見。
ご紹介したツイートでは、「江戸(=今の東京)」と、「京(=今の京都)」が同じ場所をさすような書き方をしてしまっているようです。
地理に限らず、人間が入力したり、AIが自分で集めてきたりした情報の中に、言葉の意味が紛らわしいものやいろいろな意味に使われるもの・語句などが混じっていると、小説を書くときに勘違いしてしまうことがあるようですね。
私の想像ですが、このツイートではAIが「江戸=今の東京都=東『京都』=京都の東の方かな?」と勘違いしてしまったのではないかと思います。
小説の設定を考えてくれる生成ツール
自分で小説……特にファンタジー小説を書くためには、登場人物の設定の他、世界観やその世界の制度、文化、場合によっては地形や気候などについても考える必要があります。
すべてを一から考えるのは大変だし、書きながら考えていると矛盾が生まれてしまいがち。
そうならないために、基本的な設定については、最初の段階である程度決めておきたいですよね。
そのために役立つサイトを、2つご紹介させていただきます!
タロットプロット「ワールド」占い
ワールド(世界観) - タロットプロット (tarot-plot.com)
世界観をタロット占いで表し、政治・経済・宗教・歴史・文化などの12の項目についてのヒントを示してくれる無料サイトです。
リンク先に飛び、カードをクリック(タップ)するだけ!
どうしてもイメージがしづらければ、「もう一度占う」を選択すると何度でも占ってくれます。
タロットを参考に世界を作っていくなんて、想像が膨らみますね!
Inkarnate
Inkarnate - Create Fantasy Maps Online
世界地図から建物の内装に至るまで、ファンタジー世界のマップを作ってくれるサイトです。
英語のページなので、英語の苦手な方は翻訳ツールを使ってご利用ください。
サイトそのものがファンタジー世界のようなデザインなので、あえて英語のまま読み進めて、日常とは違う世界を疑似体験してみる……という楽しみ方もありですね。
基本的に無料で使えますが、更にたくさんの機能を使える有料版もあります。
実際に作った地図のギャラリーなどもあって、見ているだけでワクワクします!
小説のキャラクター生成ツール
小説を書くにあたって、主人公やそれを取り巻く人々……つまりキャラクターは必須ですよね。
実は、小説のキャラクターを作ることに特化したAIもあるんです!
キャラクター自動生成システム
名前や年齢、職業や外見などのキャラクター設定が作れるツールです。
もともとはTRPG……参加者同士で役割分担をし、会話をしながら行うRPGのキャラクターを作るためのツールのようですね。
特定の設定だけを作ったり、すべてお任せで作ってもらったり、活用方法は様々。
試しに何度か全項目ランダムで作ってみたのですが、どれもかなり個性的なキャラクター設定になりました。
Crypko
Crypko - AIアニメキャラクター生成
キャラクターの外見が作れるAIツールです。
無料で使えるプランから、作ったキャラクターを商用利用できる有料プランまであり、小説を書くため以外の楽しみ方もありそうですね。
AI小説が出来る無料自動生成サイト まとめ
小説を書いてくれるAIから、人間が小説を書くときに助けてくれるAIまで……
小説にかかわるAIにもたくさんの種類がありますが、ひとつ言えるのは「完全なAI小説ジェネレーターなど存在しない」ということ。
それぞれのAIの向き不向きや得意不得意、個性などを人間側が把握し、時には求める結果まで「誘導」してあげないといけません。
そう考えると、AIはどこまで行っても道具であり、最終的に小説を書くのは人間である……ともいえるかもしれませんね。
とはいえ、AIは豊富な知識・斬新な発想・新鮮な展開の方法で小説を書き、私たちを楽しませてくれるのも事実。
お助けツールとしてうまく使えば、新たな可能性が開けるかもしれません。
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